流産について【6】不育症の原因のひとつ「抗リン脂質抗体症候群」

不育症の原因のひとつに、「抗リン脂質抗体症候群」というものがあります。これは、簡単にいうと「自己免疫疾患の一種」で、血液中にできた抗リン脂質抗体という異物が多くなり、血液を凝固させて、血流が悪くなり、体内に血栓を起こりやすくする病気のことです。

この抗リン脂質抗体症候群の原因は、まだ分かっていないそうです。また、遺伝もないそうです。男性と女性の比率で比べると、1:2の割合で女性に多いみたいです。

抗リン脂質抗体症候群だとどうなるの?

抗リン脂質抗体症候群で陽性反応があると、動静脈血栓症や、血栓版減少症などを発症しやすく、血栓ができる場所によっては、脳梗塞や心筋梗塞、肺梗塞などを引き起こし、最悪の場合死に至るケースもあるそうです。ただ、この抗リン抗体症候群は、不育症レベルの診断では、日常生活を送る上で問題がないことが多いのだそうです。低い数値で設定されているからなのです。

ただ、低い数値の抗リン抗体症候群では、妊娠を期に症状が出る場合が多く、胎児を養う絨毛組織の血管が詰まってしまい、赤ちゃんに十分な栄養が届かなくなる為、子宮内胎児死亡や、子宮胎盤循環不全による胎児の発育遅延など流産・死産を繰り返す不育症の原因となる可能性があるのです。また、抗リン抗体症候群で流産・死産となる胎児は、男児が多いそうです。

抗リン抗体症候群と診断されたら

不育症の検査で、抗リン抗体症候群と診断されると、びっくりされるかも知れません。しかし、不育症レベルの診断基準だと、抗リン抗体の数値が低く設定されている為、日常生活において心配される症状はほとんど出ないそうなのです。妊娠してからはじめて、症状が出てくることを頭に入れておいて下さい。

そして、適切な治療をすれば妊娠を継続することは可能なのです。

抗リン脂質抗体症候群の治療法

1.低用量アスピリン療法

抗リン脂質抗体症候群の代表的な治療法は「低用量アスピリンを服用する」ことです。バイアスピリン100mg、バファリン81mg、小児用バファリンなどを服用することで、血小板の働きを抑えて、血液が固まるのを防ぐ効果があります。

2.ヘパリン療法

また、低用量アスピリン療法が効きにくい方や、血液凝固作用がより強いと思われる方には、「ヘパリン療法」と呼ばれる治療法が適用されます。これは、カプロシン、オルガラン、未分画ヘパリンなどを注射または点滴をします。血液凝固因子という血液中のタンパク質の働きを阻止する作用があります。

この治療法は、低用量アスピリン療法と併用して行われることが多いです。

ヘパリン療法の副作用

ヘパリン療法は、副作用として、血小板の減少や肝機能の低下、骨粗鬆症などがある為、定期的な血液検査が必要になってきます。また、内服薬での治療ではないので、通院回数が増えてしまいます。

3.副腎皮質ホルモン療法(ステロイド療法)

抗リン抗体症候群の治療法は、まだあります。副腎皮質ホルモン(ステロイド療法)です。

副腎皮質ホルモン(ステロイド療法)は、プレドニン、プレドニゾロンなどを服用します。免疫(自己免疫)を抑制させ、抗リン脂質抗体の抗体価を低下させる作用があります。

副腎皮質ホルモンの副作用

他のステロイドよりも、胎盤通過性が小さいので、赤ちゃんへの影響は少ないのですが、ヘパリン療法と比べ、早産や低体重児、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病などの副作用が多くなってしまいます。その為、管理入院をする場合もあります。

4.柴苓湯療法

次に「柴苓湯療法」というものがあります。柴苓湯は漢方薬の一種ですね。ステロイドのような、軽い免疫調整作用や、血小板凝集抑制作用があります。副腎皮質ホルモン療法よりも安全ですが、漢方薬なので効き目は緩やかになります。

5.ガンマグロブリン(免疫グロブリン)大量療法

最後に「ガンマグロブリン(免疫グロブリン)大量療法」です。この療法は、低用量アスピリン療法や、ヘパリン療法で効果がみられなかった場合に用いられる療法です。また、原因不明の不育症にも適応されます。

デメリットとしましては、治療費が結構高額になってしまうのと、比較的新しい治療法なので、不育症専門外来など限られた施設でしか治療が受けられないことです。

抗リン抗体症候群は、適切な治療をすれば無事に出産まで迎えられます。医師の指示に従い、治療を受けられて下さいね。

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