逆子で帝王切開で産まれたという方はたくさんいらっしゃいますよね。逆子は決して珍しいことではないし、逆子だからと言ってトラブルの心配をする必要もありません。
ただ、逆子の場合は出産の方法は変わってくるので、逆子なのかどうなのかは気になりますよね。
逆子になっても自然に直ることが多い
通常、胎児は27~28週頃までは、お腹の中でクルクルと動いています。妊婦検診で、検診の度に赤ちゃんが色々な方向に向いているのはそのためです。胎児は羊水の中に浮かんでいるので、重たい頭を下に向けているのが一般的ですが、何らかの理由で、頭が上になることがあります。これが逆子です。
妊娠27~28週ごろになると、赤ちゃんはあまり大きく姿勢を変えなくなってきます。ただ、この時期に「逆子ですね」と言われても、自然に直ることが殆どなんだそうです。
ただ、母体の骨盤の形や胎盤の位置など、様々な理由で逆子が直らない場合もあります。子宮筋腫や子宮内膜症、子宮の形のトラブル、前置胎盤などがあると頭が上の姿勢の方が赤ちゃんにとって居心地が良くなるので、逆子になるのです。
また、頭が小さい、足が未発達など胎児の体の都合や、羊水が多めで胎児が動きやすかったりすると逆子になる場合が多いようです。
逆子と言われても、妊娠後期に入って赤ちゃんの頭が重くなってくると、重力の関係で次第に頭を下に向けるようになります。予定日くらいにいきなり逆子が直る場合もあり、最終的に逆子であるのは5%未満です。
しかし、妊娠35~36週に入っても、まだ逆子である場合は、経腟分娩か帝王切開かを決めます。
いろいろな逆子の姿勢
ひとことに逆子といっても、いろいろな姿勢があります。
まず代表的な逆子の姿勢が単殿位です。お尻が下にあり、両足を上に持ち上げている状態で、場合によっては経腟分娩が出来る場合もあります。
次に腹殿位です。両足のひざが曲がっていて、おしりと足が下に一緒にある姿勢です。
次は足位です。両足がいちばん下にある姿勢で、帝王切開となる確率がいちばん高い姿勢です。
最後に殿位です。ひざが曲がって、両ひざがいちばん下にある状態です。稀に片足が後ろに、もう片足が前にある不全殿位の場合もあります。
そして、全姿勢の中でも、さらに胎児が横向きになっているポーズもあります。
産院の方針や、妊婦さんや胎児の状態にもよりますが、逆子の場合はほとんどが帝王切開となります。
赤ちゃんの異常ではありません
逆子だからといって、赤ちゃんに異常があったり、栄養がいきにくくなったりする事はありません。また、頭が下だから楽とか、上だから苦しいとかという事もありません。頭が上にあっても下にあっても、羊水に包まれているのは同じなので、赤ちゃんにとっては居心地のいい場所である事には変わりないのです。
お腹の中にいる時から、自分にとって心地いい姿勢があるのって、何だか不思議ですよね。胎児の頃から、もう個性があるということだと思います。
逆子直しにチャレンジ
妊娠28週以降、妊婦検診で逆子と言われたら、逆子直しにチャレンジするのもいいと思います。
いちばん取り組みやすいのが「逆子体操」です。効果の有無は医学的には証明されてはいませんが、自分ひとりでも取り組むことが出来るので、やってみる価値はあると思います。
逆子体操のやり方
も色々あるんですが、一般的なのがおしりを高く上げる胸膝位、通称「ネコのポーズ」です。ネコのように四つん這いになり、胸も床につけてお尻を高く上げて、そのまま10分キープします。
お尻を高く上げることで、骨盤から胎児のおしりや足を離し、回転しやすい状態をつくるのです。「10分もキープしないといけないの?」と不安になるかも知れませんが、この体勢は割と続けても楽な体勢です。
ただ、お腹の張りが出てきたらすぐに休んで下さいね。また、切迫早産と言われている方はやらないで下さい。
逆子体操以外の方法
ほかに、「赤ちゃんの背中が横向きになるような向きで横向きに寝る」などもあります。また、足のツボの刺激なども効果がある場合があります。
また、逆子直しに熟練している医師がいて、お腹の上から手をあてて、外回転術で胎児を回転させて胎児の向きを直すという方法もあります。ただ、やはりリスクはあると思います。
胎児の姿勢は、子宮の環境によるものなので、外的な刺激だけでは必ず直るものではありません。「直ったらいいな」程度の気持ちで取り組まれると良いと思います。