精液検査にて精子濃度が少ない(乏精子症)、精子の運動率が悪い(精子無力症)等の場合も人工受精の適応と言われています。
女性の頸管粘液をスルーする事によって、精子がより卵管に近づく事が出来、結果妊娠しやすくなるという訳です。
実際、距離は短くなりますしね。
フーナーテスト不良の場合は、少なからず精子濃度が薄い事がありますので、重ねての適応となる訳です。
しかし、距離を短くする事で妊娠率は本当に上がるのでしょうか?
乏精子症の場合は多少は確率が上がると思います。例えば、濃度が1500/mlで運動率が80%の場合と、濃度が3000/mlで運動率30%の場合は、恐らく後者の方が妊娠の確率は上がるでしょう(いずれも濃縮前です)。
というか、精子の元気の具合の問題なんです。
運動率が高い精子が多いという事は、元気な精子が多いという事です。最近は「直進運動率」が結構重要視されますよね。真っ直ぐに進む精子の事割り合いの事です。
極端な話、妊娠にはそんなにたくさんの精子はいらないと思います。多いに超した事はないんですが、やはり大切なのは元気な精子、卵管に向かって真っ直ぐに進む精子です。
ですので、人工受精前には必ず精子の状態を顕微鏡でチェックし、運動率が悪ければ濃縮処理をします。最初から濃縮する病院もありますが。多少濃度が少なくても問題なしと判断されるケースが多いのです。
しかし、運動率が悪いからと心配する必要はありません。精子を濃縮する事で運動率は上がります。
精子を遠心分離器にかけ、運動率の高い精子を選ぶので運動率は当然上がります。
人工受精をする事で、少しでも精子の問題が軽減されるといいのですが(#^^#)