排卵抑制剤には、点鼻薬のブセレキュアなどの他に、注射薬もあります。
種類としては、「ガニレスト」や「セトロタイド」の2種類がよく使用されています。排卵抑制剤の注射薬は、主に体外受精の「アンタゴニスト法」にて使用される事が多いようです。
この2種類の注射薬は、日本で認可されてから、まだまだ新しい薬です(確かまだ10年も経っていないんだったかな?)。セトロタイドが認可されて、しばらく経った後で、ガニレストが認可されました。
この2つの注射薬の認可により、体外受精における治療の幅はぐっと広がったと言えます。
排卵抑制剤の注射薬が認可されるまでは、ブセレキュア(点鼻薬)しか方法がありませんでした。しかし、ブセレキュアは、長期間投与しないとはっきり言って効果がない場合が多かったようです。特に、年齢の高い方や、卵巣年齢の高い方には結構な負担になります。
それに、排卵抑制をすればするほど、卵胞を育てる薬もまた多くなります。若い方ならいいのですが、年齢の高い方にはこの治療はかなり負担になるのです。また、卵胞刺激の薬や注射は、LHの値が高ければ高いほど、卵子の質が悪くなるという報告もあります。
ブセレキュアは、マイナス面ばかりではありませんが、やはりこれだけでは治療の効果はあまり得られないと思います。
体外受精の「アンタゴニスト法」
セトロタイドやガニレストは、主に体外受精の「アンタゴニスト法」にて使用されます。
アンタゴニスト法は、「体外受精について」のカテゴリーにて詳しく書かせて頂いておりますが、少しだけ説明させて頂きますね。
アンタゴニスト法は、主に年齢の高い方、卵巣年齢の高い方に向いている刺激法です。ロング法やショート法は、ブセレキュア(場合によっては、卵胞がある程度まで育ったら、排卵抑制の注射を打つ事もあります)で排卵を抑制しつつ、卵胞刺激ホルモンの注射を連続で投与する事で、たくさんの卵胞を育てます。しかし、この刺激法は、卵巣に大きな負担が掛かる為、後になってダメージが出てくることもあります。
そこで開発されたのが「アンタゴニスト法」です。この方法は、2通りの方法がありますが、卵胞が14mmぐらいになったら投与を始める方法が多いようですね。アンタゴニスト法は、フレアーアップ現象がないし、即効性があるのできちんと卵胞をチェックすれば、良い卵子が摂れると思います。
しかし、ロング法やショート法と違って、医師の管理が大変なのと、排卵抑制の注射を打ち始めるタイミングが難しい為、全ては医師の技量にかかっていると言っても過言ではありません。
注射薬は、お値段も若干高めです。しかし、ロング法やショート法で結果出なかった方は、試す価値のある治療法だと思います。