テルグリドは、プロラクチンというホルモンの分泌を抑える薬です。
別のカテゴリーでも書かせて頂きましたが、プロラクチンは通常、産後に分泌され母乳の分泌を助けます。「産後に生理がしばらくない」という方はたくさんいらっしゃいますよね。これは、プロラクチンの仕業なのです。
プロラクチンは排卵を抑制する働きがあります。排卵がないと生理も来ることはないので、母乳を止めてからしばらくして生理が再開する方が多いのです(母乳育児中でも、生理が始まる事はもちろんありますし、珍しい事ではありません)。
産後でもないのにプロラクチン値が高い「高プロラクチン血症」
ただ、産後でもないのに、プロラクチン値が高い方がいらっしゃいます。これを「高プロラクチン血症」といいます。高プロラクチン血症の方は、ほとんどの方が自覚症状があり、月経不順や無月経、乳汁の分泌などの症状があります。
また、自覚症状はなくても、血液検査にて負荷をかけることで判明する「潜在性高プロラクチン血症」というのもあります。
プロラクチン値が高いかどうかは、血液検査でしかわかりません。ですので、婦人科や不妊治療の病院で判明します。
妊娠を望んでいる方は、排卵が起こりにくいと不利になりますので、薬を使って治療していく事になります。
テルグリドは高プロラクチン血症と診断された方に処方される
テルグリドは、高プロラクチン血症や潜在性高プロラクチン血症と診断された方に処方されます。
この薬は単に、プロラクチンの分泌を抑制するだけなのです。ですので、用途は非常に限られていると言えます。たまに、産後で母乳が出過ぎて困るとか、卒乳したのに母乳が止まらないとかで処方される場合もありますね。
テルグリドの服用の仕方
服用の仕方は、1日に半錠から2錠服用します(症状や血液検査によって、服用する量は決められます)。ただ、テルグリドは、比較的作用がマイルドで、服用している時だけ効果が現れるものなので、もし医師の指示がないまま服用を中止してしまうと、反動でプロラクチンの値が今まで以上に上昇してしまう事が多くあるのです。
ですので、服用に関しては、医師の指示をきちんと守ってくださいね。
また、プロラクチン値は夜に高くなります。よく、母乳育児が上手くいかない方にアドバイスされるのが「夜間授乳、または頻回授乳を頑張って下さい」です。これは、夜の方がプロラクチンの値が高くなる為、それだけ母乳が出るのが多くなるという考え方からきています。
ですので、テルグリドを服用する際には、夕食後の服用が適しているのです。夕食後に服用する事で、夜に高くなるプロラクチン値を抑え、排卵や着床がスムーズに出来る…といった感じになるのです。