「女性は鉄分が不足している方が多い」というのはよく言われていますよね。
鉄分はタンパク質と同様、妊娠にはなくてはならないミネラルの一つです。女性は毎月月経があるので、男性以上に鉄分を摂らなくてはいけないのはご存知の通りだと思います。しかし、世界的にみても、最も不足しやすい栄養素は鉄分なんです。
鉄分を積極的に摂取した女性は、そうでない女性よりも、排卵性の不妊症が40%も低い研究結果があるそうです(米国ハーバード大学パブリックヘルスの栄養学部のホルヘ・チャバロ氏らの研究より)。
排卵性の不妊症と言えば、多嚢胞を始めとして、高プロやLUF(黄体化非破裂卵胞)の事ですよね。卵子そのものの問題、例えば卵子の老化とか受精障害もあたるんでしょうか?研究結果には「排卵性の不妊」としか書かれていなかったので何とも言えませんが、鉄分は体内や脳に酸素を運搬する、赤血球中のヘモグロビンの構成要素となるので、不足すると妊娠はしにくくなるかも知れませんよね。
また、冷え性も鉄分不足が原因という説もあります。身体をしっかり暖めているし、タンパク質もしっかり摂っているのに冷えが治らないという方は、もしかしたら鉄分不足なのかも知れませんね。
鉄分不足はどうやって調べるの?
鉄分不足が妊娠を遠ざけてしまと書かせて頂きましたが、鉄分不足はどうやって調べるのでしょうか?
会社や自治体で行われる健康診断の血液検査の項目に、「赤血球のヘモグロビン値」の欄があります。この「赤血球のヘモグロビン値」が一般的に「貧血かそうでないか」を知る目安となります。
ですが…必ずしもそうではないのです。
実は、鉄分には赤血球のヘモグロビンだけではなく、体内の組織鉄や、貯蔵鉄も存在しているのです。
この組織鉄、貯蔵鉄はもっと詳しい鉄分の値「フェリチン」を調べないと分からないのです。
ですから、健康診断等で「貧血の疑いはないので大丈夫ですよ」と言われても、鉄分が足りている事にはならない場合があります。
この状態は「潜在性鉄欠乏症」と言われます。フェリチンの値が100~200が理想的な範囲なんだそうですが、50あればまあ大丈夫と言われています。
そういえば、漢方薬局のおじさんにやたらと「不妊症は栄養不足が大いに関係してる、あなたの話を聞く限りだと栄養はまあまあ摂れているから、後は病院の血液検査でフェリチンの値をみてもらって!」と言われた事があります。まだ調べてもらってないんですが…これは無視出来ない事ですね。
フェリチンの値の調べ方
フェリチンの値は、「貧血気味なんですけど、血液検査は問題ないと言われた、フェリチンの値を調べてほしい」と内科とかに言えば、すぐに調べてくれるそうです。
鉄分の多い食事・食材を採り入れる
さて、ここまで鉄分についていろいろ書きましたが、ここからは食事から鉄分を取り入れるために「鉄分の多い食事」について書いていきます。
その前に、鉄分の種類は2種類あるのをご存知でしょうか?「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」です。
これは同じ鉄分でも、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」は身体に吸収される量が違うのです。身体に吸収される量が多いのは断然「ヘム鉄」です。
ヘム鉄は主に肉や魚に多く含まれています。非ヘム鉄は、野菜や納豆等に含まれています。以下は鉄分が多く含まれている食材です。是非参考になさって下さい!
ヘム鉄が多く含まれている食材…レバー、カツオ、赤貝、マグロの赤身、イワシ等
非ヘム鉄が多く含まれている食材…あさり、しじみ、菜の花、小松菜、ほうれん草、カキ、ブロッコリー、ヒジキ、卵、大豆等
うーん、こうやって見てみると、やっぱり「動物の血」系は一番手っ取り早く鉄分が補給出来ますね。でも、レバーなんかは中々調理が大変ですよね。そういう時は非ヘム鉄食材と一緒に、ビタミンCを一緒に摂るといいそうです。レモンとかオレンジ、グレープフルーツ等ですよね。そうする事で、鉄分の吸収率がアップするそうです。
逆に鉄の吸収を阻害してしまう食品は、コーヒーやお茶に含まれるタンニン、食物繊維やポリフェノール、カルシウムの過剰摂取です。コーヒー等はともかく、後者は過剰摂取がダメなので、普通に食べる分には全然問題ないとのことです。
そういえば、若い頃立ちくらみに悩まされていた時に、「鉄分不足じゃない?焼き言ってレバー食べよう!」と友達に誘われてレバーを食べたところ、一時的に立ちくらみが治ったのを覚えています。レバーの力は凄いですね!でも、こちらも程々にです!