「自然妊娠は難しい」・・・病院からそう言われ、20代で不妊治療を開始。自身は妊娠しにくい状態で旦那さんも重度の男性不妊のため、不妊治療専門の病院で顕微授精を決意。1回目は失敗に終わるも・・・
不妊治療を経験した方の実際の体験談です。泣けますね。
目次
病院から「自然妊娠は難しい」と言われ不妊治療を始める
私は2014年の秋に結婚し、それと同時に妊活を始めました。
その時はまだ25歳で不妊治療なんて無縁だと思っていました。しかし半年経っても妊娠できず、不安を覚え婦人科を受診。
すると私自身、高プロラクチン症で妊娠しにくい状態だということが分かりました。
2ヶ月程タイミング法を試みた後、主人の検査も勧められ検査をしてみると、主人もまさかの重度の男性不妊であることが分かりました。
病院から「自然妊娠は難しい」と言われ不妊治療をする決意をしました。
その後、不妊治療専門の病院で治療を経て、約1年後、我が子を腕に抱く事ができました。
夫が重度の男性不妊(無精子症)と診断される
2014年の4月、男性不妊専門の泌尿器科にて重度の男性不妊(無精子症)と診断を受けました。
思いもしない診断結果にショックを抑えきれずしばらく頭の中が真っ白になりました。
子供が大好きで将来は結婚して子供を産み、賑やかな家庭を築くことが小さな頃からの夢でした。
その夢が叶えられないかもしれない。そう思うと涙が止まりませんでした。
「我が子が欲しいのか」「子供を育てたいのか」模索する中で『特別養子縁組』についても調べました。
血は繋がっていなくても、本当の親子のような家族は沢山いる。血は繋がっていなくても我が家に来てくれた子を愛情いっぱい育ててあげたいと思いました。
そう思う中でも、やはり主人との子が欲しい気持ちは諦められませんでした。
「もう一度かけてみよう。」そう話合い、不妊治療で有名な別の病院で受診しました。
すると、重度の不妊症ではあるが治療すれば妊娠も可能だということが分かりました。絶望的だった私にとって希望の光が見えた瞬間でした。
私たちは迷わず治療の道を選択することに決めました。
顕微受精の金額は1回で50万近く・・・
不妊治療をいざ始めると決めたものの、実際のところ不安がとても多かったです。
一番の不安要素は金銭面です。私たちの場合、顕微受精しか選択肢がありません。顕微受精は1回で50万近くかかります。
当時私はパート勤務で給料もおこずかい程度しかなく、蓄えもあるわけではありませんでした。50万かけて失敗したらどうしよう。どうやって生活もやりくりしていこう。
不安が募る中、主人は「上限を決めてしよう!お金は稼げばいいよ」そう言ってくれました。そうして私たちは治療にチャレンジする決断をしました。
20代で不妊治療・・・まわりに相談できる相手がいない
金銭面は解決しましたがもう一つの不安要素が相談相手です。
不妊治療と聞くと40歳くらいのイメージが私自身もありました。実際病院にいっても20代の方はほとんど居なく、周りを見渡す限り30代後半〜40代の方が大半でした。
当時25歳だった私にとって20代で不妊治療をしている現実が悲しくさえ思いました。
もちろん友達にも不妊治療をしているなんて言えない。可哀想と思われるだろう。ますます惨めな気持ちになるなら言わないで治療した方がいい。と思いました。
でも実際隠し通すのはとてもストレスでした。
不妊治療をしないと授かれない。と知らない周りの人は「こどもはまだ作らないの?」と容赦なく聞いてきます。
そう聞かれるたびに落ち込みました。
でも私が何でも話せる唯一の親友に正直に打ち明けました。
すると「なんで早く言ってくれなかったの。一人で抱え込まないで話してよ」と言ってくれ私の気持ちを全部話しました。
友達は自分のことのように親身に聞いてくれて、私の気持ちは楽になりました。
不妊治療をすることは決して恥ずかしいことではない。堂々としてていいんだ。と勇気をもらい前向きに治療に入ることができました。
子供が欲しくて頑張っている夫婦はこんなにいるんだ
私が治療した病院はとても有名な病院で全国から患者さんが治療しに来る病院でした。
初診の日も待合室のロビーにはキャリーケースを押した夫婦も多く、椅子に座れず立っている人も多くて驚くことばかりでした。
この病院を訪れるまでは「なんで私たちが?」「私たちって不幸なの?」という気持ちが強かったです。
しかし、病院に行くと子供が欲しくて頑張っている夫婦はこんなにいるんだ。私たちだけが不幸な訳ではなんだ。いつか私もここを笑って卒業したい。いやするんだ。と前向きな気持ちになりました。
診察や検査を終え私たちはアンタゴニスト法での誘発方法に決まり、採卵日まで自己注射・内診の日々がはじまりました。
1回目の顕微授精では妊娠できず・・・
1度目の治療は残念ながら陰性に終わりました。
2ヶ月空けてもう一度治療を開始しました。でも2度目は受精卵の状態も悪く妊娠は難しいだろうと言われての移植でした。
そのため今回は妊娠はできないと私自身も半ば諦めていました。
しかし、病院で判定した結果、妊娠していることが分かりました。
2回目の顕微授精で妊娠!
それはそれは嬉しくて結果の用紙を持つ手が震えていたのを今でも覚えています。
それから赤ちゃんは順調に成長し、予定日の2日前に元気な産声をあげて生まれてきてくれました。
我が子をはじめて抱いた瞬間、喜びと同時にこの子に感謝の気持ちしかありませんでした。
一生我が子を抱けないと思っていた私たちのところに来てくれた事。妊娠はできないだろうと思って望んだ2度目の移植の末頑張ってお腹に宿ってくれたこと。
我が子を見た瞬間、何が起きてもこの子は私が守る!愛情いっぱい育てるんだ!そして「私たちのところに来てよかった」と思ってもらえる親になることを再度決意しました。
不妊治療には旦那さんの協力が必要不可欠
不妊の原因というとまだまだ女性のイメージを持つ人が多いと思います。
しかし実際にはそうではありません。男女比の割合は半分ずつと言われています。
なので検査をする時は奥さんだけではなく、夫婦揃って検査を受けて下さい。男性の中にはまだまだ検査に抵抗を感じる人が多いですが、妊娠は奥さんだけの力では出来ません。旦那さんの協力が必要不可欠です。
女性の妊娠にはリミットがあります。35歳を過ぎると妊娠率が一気に下がります。検査をためらっている間にも時間は過ぎていきます。
夫婦でしっかり話合い、夫婦で妊娠を希望している場合早めの検査をオススメします。
そして検査の結果、不妊治療をする場合も旦那さんのサポートがとても大事です。不妊治療は身体的にも精神的にもとても大きな負担があります。
奥さんが弱音を吐いたりイライラするかもしれません。
でもそんな時は怒らないで寄り添って支えてあげてください。奥さんは旦那さんにしか弱音を吐いたり頼ることができません。
どうか奥さんを労わりながら夫婦で手を取り頑張ってくださいね。
これから不妊治療を始めようと思っている方へ
現代、不妊治療の技術はとても高度なものになっています。
しかし、そのおかげで妊娠率は年々上がっています。決して最後まで諦めないでください。
私は2回の治療を経て我が子を授かることができました。
ただし不妊治療は先の見えない長いトンネルです。夫婦で話合い、ゴールを決めておく事も大切だと思います。
私が不妊治療を経験して一番感じたことはなによりも夫婦が仲良しでいることが大切だということです。
治療中はなにかと揉めることも多いかと思いますが、赤ちゃんはママとパパをお腹の中から見ています。
イライラして喧嘩をしている夫婦よりも仲良く赤ちゃんを待っている夫婦のところに赤ちゃんは来てくれる。私は今もそう信じています。