私は現在40代の専業主婦です。33歳から4年間調剤薬局事務の正社員として勤務しながらの不妊治療を経て、37歳で男の子を出産しました。
私は27歳の時に大学時代から7年交際した男性と結婚しました。結婚当初、私も夫もすぐに子供が欲しいというわけでもなく、そのうちできるだろう程度に考えていました。
二人ともマイペースな性分なので、自分たちよりあとから結婚した友人が次々結婚1~2年目で出産しても焦りを感じたこともなかったし、「子供はまだか」とせっつくような親族もいなかったので、そのまま数年が過ぎてゆきました。
結婚して5年「もしかして私たち夫婦が普通じゃない?」
転機が訪れたのは結婚して5年目。私の2歳年下の妹が結婚し、その2か月後に妊娠が判明しました。いわゆる“ハネムーンベビー”です。
今思えば本当に暢気な話ですが、妹が妊娠して初めて「もしかして私たち夫婦が普通じゃない?」という疑問を抱きました。
とりあえず近所の婦人科に通ってみた
いざ不妊治療を始めようと決めた時に、まず迷ったのは病院選びでした。
いきなり不妊治療専門病院に通うのは抵抗があったし、「初期の簡単な治療であっさり妊娠するかも」という楽観的な気持ちがその時はまだあったので、とりあえず近所の婦人科に通うことにしました。
“不妊治療はお金がかかる”と漠然とは知っていたけど、具体的な金額を調べて不安になったりすることもありませんでした。
「自分はそんな高額な治療までいかなくても妊娠できる」となんの根拠もなく思っていたからです。
色々インターネットで検索して調べて不安になる暇があるなら、それよりとにかく「今動き出さなければ!」という気持ちのほうが強かったのです。
「もう結婚して5年も経ってる!」「もう33歳も終わりかけだし、早くしないと高齢出産になってしまう!」という焦りが不安を押し退けました。
普通の婦人科での不妊治療
初めて行ったのは近所の普通の婦人科でした。お産は取り扱っていないけど、妊婦検診はされているようで、待合室には妊婦さんもたくさんいました。
診察室に入ると穏やかそうなおじいちゃん先生がいて、生理のことや性生活のことをいろいろ聞かれました。
そして1冊のノートを渡され、「これから毎日基礎体温を測ってこのノートに書いていって。それ見て排卵日を予測して、“なかよし”する日を決めましょう」と言われました。
不妊治療用語としては割と周知されていると思われる“なかよし”という表現を私はこの時初めて知って、「へぇ、そういうふうに言うんだ」と思ったのを覚えています。初診時はそれだけで、覚悟して行った内診もありませんでした。
タイミング療法6回、人工授精3回の後、不妊治療専門病院へ転医
その近所の婦人科でタイミング療法6回、人工授精3回した後、電車で二駅先の不妊治療専門病院へ転医しました。
その不妊治療専門の病院でも何回か人工授精しその後初めての体外受精を受けたのですが、その体外受精の1回目で幸運にも妊娠反応がでました。
正直嬉しさよりも信じられない気持ちのほうが大きかったです。
通院しているときは「この病院を卒業するときは、泣きながら先生にありがとございましたって言うのかな」と思っていたのですが、実際は「妊娠してます」と言われても「あ、そうですか」「じゃ、ありがとうございました」と、ぼんやりしながら最後診察室の扉を閉めた覚えがあります。
初めて私のお腹に宿ったその赤ちゃんは、7か月後にお腹の中で死んでしまいました。
小さいし動かないし泣かない赤ちゃんでしたが、ずっとお腹の中にいて一緒に過ごしてきた子に「やっと会えた…!」という気持ちでいっぱいでした。
その後も不妊治療を続け、37歳で男の子を無事出産しました。
不妊治療は「痛いかも」「お金足りるかな」いろいろ悩む前にとりあえず一歩踏み出してください。
- 他人と比べない
- 泣きたいときは泣く
- 協力してくれているパートナーへの感謝を忘れない
病院が無理ならまずは婦人体温計を購入することからでも…!