恐らくですが、一昔前は子どもが中々出来ない事は、周りから見ると恥ずかしい事だったと思います。
だから不妊症なんて言葉も定着しなかったと思うのです。
私には60代の叔母がいますが、「子どもが中々出来なくて、誰にも相談出来なかったのよ。病院に行っても出来なくて、本当に辛かったのよ。」と話してくれた事があります。
その話はおよそ35年前。日本でやっと超音波による検診が導入された頃ですから、赤ちゃんの様子を見るのが精一杯で、現在の様に卵胞チェックをする病院は少なかったのかなと思います。
今の様に、どこかに相談出来る機関も少なく、本当に辛かったと思います。
一方で…以前、近所に住む60代のおばちゃんと子どもが中々出来ないと話している時に、「うちの息子は精子が少なくてね、体外受精で二人も授かったのよ。孫の面倒みるのも大変だわ。」と返ってきたのです。
近所のおばちゃんといっても、そこまで深いお付き合いはしていないのですが、そんな私相手に…
その言葉を聞いた時「不妊治療ってやっぱり皆が知ってるのかな」と思いました。そしてその壁のなさに少しびっくりしました。
不妊治療、不妊症を定着させているのは、メディアやネットの影響だけではなく、他ならぬ私たちなのかも知れませんね。